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2012年5月26日 (土)

少年から青年、そして父親に-Rufus Wainwright Out Of The Gameを聴いて-

父親になったんだあ・・・。何とも派手な人生を送っているなあ。
そういやあ、彼はデビューから知っているし、来日公演も2回行っているわ。

ちょっと長くなりそうですが、「Rufus Wainwright」というアーティストを語らせてください。

デビューアルバムである「Rufus Wainwright」を知ったのは、某雑誌でのCD評にて。
TOP扱いであった。レビュー内容までは覚えていないが、「声がいい」とのことと、
彼がゲイであると公表していることを知り、興味を持ち購入することにする。

彼はオペラに傾倒しており、ポップとオペラを融合させたような音を作っている。
オペラと言うと高尚な音楽といえるし、実際にその歌劇のストーリーである
背景を理解していないと、全くもってつまらないと思える。
そういう観点から言えば高尚なのかもしれない。特に日本人には。
向こうでは昔話に歌劇を取り入れただけなのだけど、やっぱ高尚なのかな?わからん。

「Rufus Wainwright」は衝撃の作品でした。
ベースがオペラなので、音に黒人色がないのは驚きました。
私はベースにR&Bがないと2,3回聴けば飽きてしまうのですが、
(例:砂漠の○○○、○○○に当てはまるバンド名。これは見事に飽きたw)
これは飽きなかったし、メロディも良かった。
そして詞なのですが、例えば「Danny Boy」。素晴らしいラブソングなのですが、
男が男に対してのラヴソングなんだよなあ。彼にとっては当たり前のことなんでしょうが、
結構カルチャーショックでした。

東京で仕事している時は毎日が午前様でした。
そんな多忙な毎日を過ごしていたのですが、たまたま夕方から時間が空きました。
「何かイヴェントないかなー」と、ネットで調べてたら、
Rufusが今日渋谷でライヴすることを知りました。
即決で行くことにしました。完売になってはいないことはわかりきっていたし。
渋谷のセンター街から登り、いそいそとライヴ会場に向かいます。
入ると5分の入りでした。そんなわけで館内をうろうろしてたら、
業界関係者らしき方々のお話が小耳に入ってきました。

「妹のマーサ、レズらしいよ。」

兄貴がゲイで、妹がレズ・・・。ははは。愉快な奴らめw。
そんな精神状態の中ライヴが始まります。
結論から言うと「非常に残念なライヴ」でした。
まず、彼にショーを行う自覚がなかったのが残念だった。これは発表会で見るレベル。
具体的に言うとステージ上で曲の間に兄姉がくっちゃべったり、
お客をお客として接し切れていなかった。一方通行なら化け物みたいな見世物でないと納得できない。
そして期待した声。比較しているのが化け物レベルなのかもしれませんが、
聴いてて気持ちよくない。これは本当に残念だった。
「まだ少年だなあ。」
率直な感想です。そして彼を詩の一節を使いこう呼びました。

「Not your fault Danny Boy」

「Poses」も買いましたが印象がありません。
ここで、私の記憶から完全に消えました。興味がなくなりました。

「じゃあ何でOut Of The Gameを買ったのか?」

昔タワレコで彼のアルバムを紹介していました。「Want One」と「Want Two」を。
聴いてみて驚きました。
前記しているオペラをポップで表現できていることを!
彼は「Danny Boy」では終わらなかった。青年に成長していた。
2枚のアルバムを速攻で買いました。日本語版でなくUK版ですが。
何故かというと「Want Two」のUK版にはDVDが付いていたので。

この「Wantシリーズ」は彼の集大成です。
オペラをポップ取り入れ、ゲイの存在意義まで主張している。
何があったのかと思えてしまうぐらいです。
私はオペラには疎いので、何度聞いても新鮮で飽きません。
これを入り口にオペラを見てみたくなってしまいます。
それと、自慢の声。DVD見ました。あの時が調子悪かっただけなのかな?
透き通った声もあるし、少し濁声もあり、かつ、非常に伸びる声。
裏声も上手く使っています。いやいやまいった。
相変わらず見る目がないなーと実感してしまいました。

こうなるとライヴが見たくなります。偶然にも近日中に渋谷であるみたいです。
そして、渋谷のセンター街から登り、いそいそとライヴ会場に向かう自分がいます。
完璧なショーでした。ショーを完結できる能力が付いたことが成長したなと思いました。

彼が歌い出すと時間が止まる。
それぐらい歌唱力と緊張感を持続できていました。MCも談笑してリラックスできました。
アンコールの時、ある出来事がありました。
黒いマントを羽織って登場したのですが、
黒いマントを除けるとそこには女装した彼がいました。
そして「Gay Messiah」を歌いました。

「あれ?ゲイって女装ありなの?」

疑問に思い、歌舞伎町2丁目のけんじ(自衛隊あがり)に会いに行きました。
何故なら彼は「ゲイだ。」と言っていたので、「ゲイとはなんぞや?」と聞きたかったのです。

「ゲイで女装はありか?」
「何でもあり。まあ派手に遊ぶ奴や、男娼もゲイといやあゲイだしね。」
「じゃあ、ゲイで女装して救世主なる歌を歌う奴は何を意味しているんだ?」
「そこまでは分からないけど、女装したかっただけじゃない?女装には意味ないし。」
「男娼もゲイのカテゴリーに入るなら女装もありだなあ。単に女装にはまっただけかあ?」
「そう思うよ。」

家に帰り「Want Two」の表紙を見る。
「あっ。やっぱこれ女装したRufusかあ。」
女装にハマっただけ臭いw。

その後、「Release The Stars」、「All Days Are Nights: Songs for Lulu」(未購入)と
アルバムを出します。「All Days Are Nights: Songs for Lulu」を何故買ってないかというと、
彼のお母さんが亡くなった後に出したアルバムなので、ちょっと敬遠してます。
リアルに暗いアルバムは色々聞いた結果、前に進む気力がなくなることがわかったので・・・。

彼が父親になったのはHNK-FMのラジオ(いつもの)で知りました。
色々意見があるでしょうが、彼は幼少期にヴェルディのレクイエムばかり聞き続け、
危惧した父親に全寮制の学校に送り込み、ゲイであることに誇りを持ち、
最愛なる母を亡くす。彼はこのとき初めてレクイエムの意味を理解することになったのでは?
だから、生に希望を感じたのでは?
それがゲイなのに子供を持つことにしたのだと思う。
俺の予想です。分からないけどね。

そしてそのラジオより「Out Of The Game」を数曲聴きました。
「いい意味で落ち着いた。」のが第一印象です。子供は現時点では間違いなく彼にとって安定する材料でしょう。
それとエレキギターも採用し、ちょっとR&Bテイストな曲もあります。
私はこれを前を向いている証拠だと思います。
新しいことにも目を向けだしたと。

そして購入しました。上記内容と同じ感想です。
次、どう進むのかな?それが楽しみなアーティストになりました。

■【おまけ】「Want Two」DVDのセットリスト

Live at the Fillmore DVD

    "L'Absence"                Hector Berlioz 
    "14th Street"               Want One
    "Harvester of Hearts"        Want One
    "Natasha"                  Want One
    "The Art Teacher"          Want Two
    "Hallelujah"                 Leonard Cohen
    "Matinee Idol"             Rufus Wainwright
    "Vibrate"                  Want One
    "Gay Messiah"             Want Two
    "Want"                            Want One
    "Greek Song"                   Poses
    "Foolish Love"                  Rufus Wainwright
    "I Don't Know What It Is"    Want One
    "Dinner at Eight"               Want One
    "Beautiful Child"               Want One
    "Oh What a World"            Want One
    "Liberty Cabbage"            Original?
    "California"                      Poses
    "As in Happy"                  Original?

P.S.HallelujahでJeff Buckleyを思い出して泣きそうになったのを覚えている。

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