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2011年3月30日 (水)

三浦知良という男

Jリーグ発足後、彼はヴェルディ川崎での絶対的なエースであった。
浦和サポの私から言えばやられた記憶しかない。
しかもかなり屈辱的だった記憶がある。
JリーグのMVP受賞の時、田原俊彦氏の衣装を借り真っ赤なスーツを着て、
バルーンを割って登場した。そのときの表情たるや・・・。
この瞬間、私はこの男が大嫌いなことが分かった。

ただし、代表では希望であった。
「日本サッカーの悲願」であるW杯出場には、絶対欠かせない存在であった。
フランスW杯のアジア第3代表決定戦で交代されるまでは。
その後「日本サッカーの悲願」は達成されたが、
彼は金髪の頭で帰国する。かっこいいコメントを残して。
やはり、この男が嫌いであることを再確認する。

京都パープルサンガでゼロ円提示されたとき、
彼のプライドの高さを考えれば、現役を引退をするであろう。
私はそう思った。だが彼が下した決断は「現役続行」であった。
「W杯に出場したいから、現役を続けているんだ。」
このような中傷を良く耳にした。私もそう思った。
そして日韓W杯でも落選する。
だが、彼は現役にこだわり続ける。

彼の主戦場はJ2と変わる。
彼の派手なプライベートのエピソードを考えると、
J2でプレーしていることが奇跡にすら覚える。
「この人は何がしたいのだろう?」
私はそう思うようになった。これから彼のパフォーマンスは下がり続けることだろう。
それなのに何故現役にこだわるのか?晩節を汚すだけじゃないか。
一度頂点を味わうと、挫折を味わうのは苦痛でしかない。
その苦痛をまだ味わい続けるのか?
私には理解できなくなった。

彼の主戦場が再びJ1に戻った。
浦和との最終戦で、引き分け以上で浦和が優勝する試合で、
またこの男にやられてしまう。
ダントツの最下位である横浜FCに負けてしまった。
私は呆然とした。
そのとき私は思い出した。大舞台に強い奴が相手チームにいたのを。

そして昨日、彼は日本サッカー界で非常に重要な試合に出場した。
得点したらカズダンスをやるとコメントを残して。
ただ、いくら花試合でもA代表相手にゴールは無理だろうと思った。
スピードがあるわけでもない、フィジカルが強いわけでもない、
裏への飛び出しが別段凄いわけでもない。
ただ、私は一つ忘れていた。奴は大舞台にめっぽう強いことを。

今考えてみれば、彼の人生は一貫している。
プロサッカー選手でありたいだけなのである
FWとして出場すれば、ゴールを目指すのは当たり前である。
プロサッカー選手であれば上を目指すのは当たり前である。
よって、W杯出場を目指すのも当たり前である。

ようやく彼を理解できた。
理解できたとたん、彼を尊敬するようになった。
そしてその瞬間が訪れる。
私は叫んだ。
#サッカーの試合でゴールしたら叫ぶと近所の人には伝えてます:p

凄い!
言葉が出ない。なんなんだこの男は!
日本は今有事である。私の情緒も不安定であった。
それが見事に吹き飛んだ。

一夜明け、彼のインタビューを見た。
彼は白のスーツを身にまとっていた。
「かっこいいなあ。」
素直にそう思った。

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